船橋二和病院 小林陽安奈 医師
春になると多くの方が花粉症に悩まされます。その症状は、くしゃみ、鼻水、目のかゆみや充血、喉の痛みなど、多岐にわたります。特に高齢者にとっては、免疫力の低下や他の健康問題と重なることで、花粉症が一層厄介なものとなります。ここでは、花粉症の症状と具体的な予防策、高齢者が特に気を付けるポイントを交えてご紹介します。
花粉症の予防には、日常生活の中でできる工夫が欠かせません。外出時にはマスクやメガネを着用し、帰宅後は顔や手を洗うことで花粉を取り除きましょう。また、衣服をしっかりと払ってから室内に入り、部屋着に着替えることで花粉の侵入を防ぎます。花粉の多い季節は空気清浄機を使用し、こまめに掃除を行うことが重要です。
次に、食生活にも注目しましょう。さまざまな食品が花粉症の予防に役立ちます。 例えば、ヨーグルトには乳酸菌が含まれており、腸内環境を整える効果があります。一種類だけでなく、様々な種類のヨーグルトを摂取することで、異なる乳酸菌を取り入れることができ、効果が高まります。また、酢酸菌を含む濁り酢や黒酢も腸内フローラの改善に役立ちます。毎日の食事に少量の酢を取り入れることで、免疫力を高めることが期待できます。
カボチャの種やベリー類の摂取も有効です。カボチャの種には亜鉛やマグネシウムが豊富に含まれており、これらのミネラルは免疫機能をサポートします。ベリー類には抗酸化物質が豊富に含まれており、体内の炎症を抑える働きがあります。ブルーベリーやストロベリーなど、日常的に摂取することで健康維持に役立ちます。
また、睡眠時間の確保も重要です。十分な睡眠は免疫力を高め、ストレスを軽減する効果があります。高齢者の方は特に、毎晩質の高い睡眠をとることを心がけてください。 最近では、新しい治療法として舌下免疫療法が注目されています。少量のアレルゲンを舌の下に投与し、体を徐々にアレルゲンに慣れさせる方法です。数年間続けることで、症状の軽減や治癒が期待できます。また、抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬などの薬物療法も効果的です。
不明な点や心配なことがあれば、医師に相談し、基礎疾患の点から適切なアドバイスを受けるようにしましょう。高齢者の皆さんも、これらのポイントを参考にして、春の季節をより快適に過ごしてください。
船橋二和病院からのお知らせ
患者さま・医療関係者のみなさまへ
ご案内