船橋二和病院内科・透析室 阪 名月医師(腎臓内科専門医)
糖尿病性腎症とは
糖尿病性腎症という病気をご存じでしょうか。神経障害、網膜症に次ぐ糖尿病の三大合併症の一つであり、透析導入となる原因の第一位を占める病気です。腎臓は様々な働きをしており、腎機能の低下は浮腫、倦怠感、高血圧、貧血、骨粗鬆症の一因となります。
症状が出にくい病気
末期腎不全に近づくまでは症状がでにくいため「まさか自分が腎臓病とは!」と驚かれる患者さんもいます。まず尿所見として現れることが多く、微量アルブミン尿や尿蛋白、続いて血液検査ではクレアチニンや推定糸球体ろ過量:eGFRを観察します。残念ながら時間をかけて悪くなった腎機能の改善は難しく、加齢とともに悪化する数値を維持できるよう、基礎疾患のコントロールが肝心となります。
腎臓は動脈硬化が大敵
腎臓は細かな血管が集まっており、動脈硬化が大敵です。糖尿病をはじめ高血圧症、脂質異常症、高尿酸血症といった生活習慣病といわれる病気のコントロール、禁煙、肥満の方は減量で腎臓の負担を軽減することができます。食事については減塩を基本とし、腎症の悪化してきた方には必要に応じて蛋白質・カリウム制限を勧めます。将来的に腎代替療法(血液透析、腹膜透析、腎移植)もしくは保存的腎臓療法(最期まで薬物治療や症状緩和に努める)を選択していただきます。
治療はライフスタイルに合う方法で
それぞれ特徴があるため、患者さんのライフスタイルに合う方法を一緒に考えていきます。当院では医師、看護師、栄養士が協力して腎症の悪化を防ぐための外来を行っています。糖尿病にて健診や普段の検査結果で腎症について気になる事がございましたら、「透析予防外来」へご相談ください。
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