検査項目の説明
■ 健康診断を受診された方へ ~結果報告書の見方~
2017年2月22日版
A |
検査範囲で異常なし |
今回の健診の範囲では、健康上で特に問題となる異常はありません。 |
B |
軽度異常 |
生理的変化を含む軽度の変化が見られましたが、健康上で特に問題となる異常はありません。 |
C |
経過観察・生活改善
|
軽度の異常所見が認められます。生活習慣を見直し、3~6ヶ月後、改善しない場合は受診をお奨めします。 |
D 2 |
要精密検査 |
異常所見が認められますので、詳しい検査(精密検査)を受けましょう。 |
D 1 |
要治療(要医療) |
医師による適切な指導・検査・治療が必要です。 |
E |
治療中 |
主治医のもとで現在の治療・管理を続けて下さい。 |
※指導区分は日本人間ドック学会」のガイドラインに基準を合わせています。
特定保健指導レベル |
情報提供 |
健康な人も含めた全ての人に、生活習慣を見直すきっかけとなるよう、基本的な知識の情報提供をします。 |
動機付支援 |
メタボリックシンドロームのリスクが出始めた方を対象に、原則1回、医師・保健師・管理栄養士等による保健指導が行われます。生活習慣の改善点に気づき、行動目標を立てる為のサポートを受ける事が出来ます。 |
積極的支援
|
メタボリックシンドロームのリスクが重複している方を対象に、医師・保健師・管理栄養士等が3~6ヶ月間継続的に保健指導を行います。積極的に生活習慣を改善する為のサポートを、継続して受ける事が出来ます。 |
受診勧奨 |
医療機関へ受診し、医師による適切な指導、検査、治療が必要です、早期発見・早期治療を行い、病気の重症化を防ぎましょう。 |
計測
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
腹囲 |
男性 |
85cm 未満 |
85以上 |
ー |
体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があり、内臓脂肪が過剰に溜まると、たとえ体重が適正であっても、糖尿病や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こしやすくなります。 |
女性 |
90cm 未満 |
90以上 |
ー |
BMI |
18.5~24.9 kg/㎡ |
25以上 |
ー |
体重が適正かどうかは、以下の式で算出します。 BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)~数値が18.5未満は低体重、25以上だと肥満です。 |
血圧 |
収縮期 |
130mmHg未満 |
140~159 |
160以上 |
「収縮期(最大)血圧」は、心臓から送り出される時の血圧で、「拡張期(最少)血圧」は、血液が心臓に戻る時の血圧です。高血圧の状態が続くと動脈硬化を招きやすく、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす要因になります。 |
拡張期 |
85mmHg未満 |
90~99 |
100以上 |
尿
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
尿糖 |
陰性(-) |
(±) |
(+) |
尿中に含まれるブドウ糖のこと。血糖値が高くなると、尿にも糖が出てきます。 |
尿たんぱく |
陰性(-) |
(+) (±) |
2+以上 |
たんぱくは、通常尿に出現しません。腎に異常がある場合、出てくることがあります。 |
尿潜血 |
陰性(-) |
(+) (±) |
2+以上 |
尿に血液の反応があり、尿の通り道のどこかに出血源があります。尿路結石や炎症でも出てきます。 |
血液一般
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
白血球数 |
3200.0~8500.0個/㎣ |
85以上 |
ー |
外部から侵入してきたウイルスや細菌と闘います。ストレスの多い時・ステロイド薬の多用などで、高値になる事もあります。数値が高いと、細菌感染・虫垂炎などの炎症性の疾患、白血病などのガンの疑いがあります。数値が低いと、ウイルス感染症・膠原病などの疑いがあります。 |
赤血球数 |
男性 |
400~539万個 |
90以上 |
359以下/600以上 |
血液の主な血球成分で、酸素を肺から各組織へ運ぶ働きをしています。数値が高いと、多血症などになり、数値が低いと、貧血・リウマチなどの疑いがあります。 |
女性 |
360~489万個 |
360~399 |
329以下/550以上 |
ヘモグロビン |
男性 |
13.1~16.6g/㎗ |
12.0~13.0 |
11.9以下/18.0以上 |
赤血球に含まれ、働きの中心となります。血色素とも呼ばれ、血液の赤い色のもとです。数値が高いと、多血症となり、数値が低いと、貧血の疑いがあります。 |
女性 |
12.1~14.6g/㎗ |
11.0~12.0 |
10.9以下/16.0以上 |
MCV |
85.0~103.0 ofl |
ー |
ー |
赤血球1個の大きさです。貧血の種類が分かります。 |
MCH |
29.0~35.0 pg |
ー |
ー |
1個の赤血球中のヘモグロビン量です。貧血の種類が分かります。 |
MCHC |
31.0~35.0 % |
ー |
ー |
1個の赤血球中のヘモグロビン濃度です。貧血の種類が分かります。 |
ヘマトクリット |
男性 |
38.5~48.9 % |
35.4~38.9 |
35.3以下/51.0以上 |
血液量に対する赤血球の割合を%で表したものです。数値が高いと、多血症・脱水症状などになります。数値が低いと、貧血の疑いがあります。 |
女性 |
35.5~43.9 % |
32.4~35.4 |
32.3以下/48.0以上 |
血小板数 |
13.0~34.9万個/㎣ |
10.0~12.9 |
9.9以下 /40以上 |
血液を凝固させて、出血を止めます。減少すると出血しやすく、止まりにくくなります。数値が低いと、肝硬変・血小板減少症などの疑いがあります。 |
糖尿
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
空腹時血糖 |
51~99 mg/㎗ |
110~125 |
126以上 |
空腹時の血中ブドウ糖(血糖)の量です。数値が高いと、糖尿病の疑いがあります。 |
HbA1c (NGSP) |
0.0~5.5 % |
5.9~6.4 |
6.5以上 |
赤血球のヘモグロビンAと、血液中のブドウ糖が結合したものです。血液中に約120日間存在するので、1~2ヶ月前の血糖を推測出来ます。数値が高いと、糖尿病の疑いがあります。 |
肝機能
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
総蛋白 |
6.5~8.0 g/㎗ |
6.0~6.4 |
5.9以下/9.1以上 |
数値が高いと、肝障害・肝硬変・膠原病・多発性骨髄腫などの疑いがあります。数値が低いと、栄養不良・消化吸収障害・肝障害があります。 |
ALP |
110~350 IU/ℓ |
109以下/351~400 |
401以上 |
肝臓・骨・胎盤・小腸に含まれます。肝・胆道系疾患の有無、骨新生の状態、胎盤機能の状態などを知る事が出来ます。数値が高いと、胆道系の病気・肝炎・肝硬変・がん・骨の病気などの疑いがあります。 (※腫瘍マーカーとしての意義も持ちます) |
AST(GOT) |
0~30 IU/ℓ |
36~50 |
51以上 |
数値が高いと、肝障害・心筋梗塞・筋ジストロフィーなどの疑いがあります。 |
ALT(GPT) |
0~30 IU/ℓ |
41~50 |
51以上 |
数値が高いと、肝障害・脂肪肝などの疑いがあります。 |
r-GT(r-GTP) |
0~50 IU/ℓ |
81~100 |
101以上 |
数値が高いと、肝疾患・アルコール性肝障害・脂肪肝・胆道系の疾患の疑いがあります。 |
腎機能
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
尿素窒素 |
0.0~20.0 mg/㎗ |
20.1~29.9 |
30.0以上 |
タンパク質が分解されて出来ます。尿中に排出されますが、腎機能が低下すると、血中に多くなります。数値が高いと、腎機能の異常の疑いがあります。数値が低いと、栄養不良・アルコール性肝炎などの疑いがあります。 |
クレアチニン |
男性 |
0.0~1.00mg/㎗ |
1.10~1.29 |
1.30以上 |
アミノ酸の一種であるクレアチニンが筋中で代謝された後の老廃物です。筋肉量が多いほどその量も多くなる為、基準値には男女差があります。腎臓の機能をみる為の指標のひとつです。数値が高いと、腎機能の異常の疑いがあります。 |
女性 |
0.0~0.70mg/㎗ |
0.80~0.99 |
1.00以上 |
尿酸 |
2.1~7.0 mg/㎗ |
2.0以下 7.6~8.9 |
9.0以上 |
体や動物性食品の細胞核にある、プリン体が壊れて出来ます。高値のまま放っておくと、痛風発作が他の病気へ進行します。数値が高いと、高尿酸血症(痛風)になります。 |
電解質
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
Na |
135~148 mEq/ℓ |
111~134/149~159 |
110以下/160以上 |
腎臓などでの代謝や、ホルモン異常による変化、その他 種々の疾患で変動します。 |
Cl |
98~110 mEq/ℓ |
81~97/111~129 |
80以下/130以上 |
K |
3.5~ 4.8 mEq/ℓ |
2.6~3.4/4.9~5.2 |
2.5以下/5.3以上 |
Ca |
8.5~10.5 mEq/ℓ |
6.1~8.4/10.6~13.9 |
6.0以下/14.0以上 |
脂質
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
総コレステロール |
140~199 mg/㎗ |
220~259 |
260以上 |
動脈硬化を促進させます。数値が高いと、脂質異常症(高脂血症)になります。 |
中性脂肪 |
30~149 mg/㎗ |
200~399 |
29以下/400以上 |
生命維持に重要なエネルギーです。食事過剰や運動不足で体内に蓄積されます。高値のまま放っておくと、肥満の原因となります。 |
HDL |
40~119 mg/㎗ |
39以下/120以上 |
29以下 |
善玉コレステロールです。血中の余分なコレステロールを肝臓に運びます。数値が低いと、動脈硬化のリスクが高まります。 |
LDL |
60~119 mg/㎗ |
140~179 |
180以上 |
悪玉コレステロールです。数値が高いと、血管壁に蓄積して、動脈硬化を促進します。 |
血清反応
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
HbsAg |
ー |
ー |
陽性 |
B型肝炎ウイルスの感染の有無を示します。 |
HbsAb |
ー |
ー |
ー |
B型肝炎に感染し抗体がある事で、過去に感染した事を示します。B型肝炎ワクチン接種でも、抗体が付きます。 |
HCV |
ー |
ー |
陽性 |
C型肝炎ウイルスの感染の有無を示します。 |
CRP |
0.00~0.30 mg/㎗ |
ー |
1.00以上 |
生体内の炎症や、組織障害の存在と程度を推測出来ます。 |
RF (RA) |
0~15 IU/ml |
ー |
15.1以上 |
慢性関節リウマチや膠原病などによる、免疫異常の有無が分かります。 |
腫瘍マーカー
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
αFP |
0.0~10.0 ng/mℓ |
ー |
10.1以上 |
肝細胞がんの約70%の症例で大きく上昇します。稀に、肝硬変症、慢性肝炎でも軽度の上昇を示す事があります。 |
CEA |
0.0~5.0 ng/mℓ |
ー |
5.1以上 |
大腸がんで上昇を示す事が多いですが、大腸がんだけでなく、膵がん・胃がん・潰瘍性大腸炎などでも上昇します。 |
PSA |
0.00~4.00 ng/mℓ |
ー |
4.01以上 |
男性のみ 》前立腺がんで上昇します。 |
CA125 |
0~35 IU/mℓ |
ー |
36以上 |
女性のみ 》卵巣がん・子宮体がん・膵臓がん・胆管がんでも上昇します。妊娠や月経中にも軽度上昇します。 |
膵臓機能
検査項目 |
参考値 |
保健指導値 |
受診勧奨値 |
この検査で分かること |
アミラーゼ |
35~120 IU/ℓ |
30~34/121~152 |
29以下/153以上 |
すい臓炎等で上昇します。すい臓がんで大きく上昇します。 |